*第2回都民塾のご報告

2012年12月17日(土)午後、東京シティ・エアターミナル

第2回都民塾が、平成24年12月17日(土)午後、東京シティ・エアターミナル会議室で、政治ジャーナリストで元毎日新聞論説委員、仮野忠男氏を招いて開かれた。


演題は「衆院選後の政局」。
年末にもかかわらず90人が出席した。


冒頭、呼び掛け人の前東京都議会議員、立石晴康さんが「先の衆院選では、政権党の民主党は歴史的惨敗で、自民党が圧勝、維新の会といった第3極の躍進もありました。今後の政局がどう動くのか、国民生活はどうなるのか、長年、永田 町で日本の政治をウオッチしてきた仮野先生からお聞きしたい」と挨拶。 代表世話人の野口和久さんが、仮野さんの経歴を紹介した後、仮野さんが登壇した。


仮野さんは、民主党の大惨敗の要因から話し出した。 
大惨敗の原因は
①3年前につくった杜撰なマニフェスト
②国民は清廉な政治を期待したが、小沢一郎、鳩山由紀夫氏らの「政治とカネ」問題が噴出
③2010年の参院選で敗北、衆参ねじれ現象を作った。菅首相の消費増税をめぐる発言のブレが要因だった ④外交、安全保障、領土問題に対する稚拙な対応-をあげた。
「とはいえ」と、続けた。


「私は、3年前の政権交代は意味のないことだったとは思いたくない。あの頃の自民党は世襲議員の首相が続き、しかも1年おきに辞任という失態を繰り返した。二の間、民主党政権は、核持込の日米密約の存在と 確認と公表や消費増税など自民党政権ではできなかった政策を前進させた」


圧勝した自民党政権の今後を占った。 「派閥が復活するかもしれないし、消費増税の実施時期、TPPへの交渉参加、集団自衛権の行使容認などで党内が混迷する可能性もある。これらをめぐり公明党との軋轢もなくはない。リーダーの健康問 題も心配だ」 こう締め括った。 「欧米の先進民主主義国と同様、日本も普通に政権交代を繰り返し得る国へと進化したのだから、民主党には再生および政権奪還のチャンスがあると考えるべきであろう。その挑戦こそが日本における議会制民主主義を深化 させることになるからと思うからだ」


仮野さんのジョークやユーモアを交えた政治談義的な講演に、出席者は何度となく大きくうなずき、そして大いに笑った。 楽しくも有意義な1時間余だった。