*第8回都民塾のご報告

2013年7月12日(金)中央区築地本願寺講堂

第8回都民塾(呼び掛け人 立石晴康・東京都議会議員)が、平成25年7月12日(金)午後7時から中央区の築地本願寺講堂で、今西光男氏(朝日新聞政治部OB、メディアウォッチ100人会代表)を招いて開かれた。
冒頭、立石さんが、先の都議選で復活当選した報告を行った。今西氏は、テーマを変更して「安倍晋三の人間像」について語った。要約して報告する。
「安倍晋三の祖父、晋太郎の父は、山口県油谷町出身の元代議士、安倍寛。祖母静子の祖父は、戊辰戦争や日清戦争で活躍した油谷町の英雄、大島義昌陸軍大将。晋三の母の洋子は岸信介元首相(山口県田布施町)の長女。安倍家は海産商で財をなした。
安倍寛と岸信介は、戦時中に東条英機に反発、大政翼賛会に入らす当選した同士。戦後になって、岸信介は「娘をどうか」と安倍寛にもちかけ、当時、毎日新聞政治部記者だった晋太郎郎と洋子は結婚。
晋太郎と洋子の間には、3男が生まれた。長男の寛信(三菱商事)、晋三は次男、三男の信夫は生まれると同時、洋子の実家である岸家に養子に。
安倍政権誕生には、さまざまな人物が絡んでいる。西村正雄は、晋太郎の異母兄弟。晋太郎が3歳のとき母の静子は離婚、その後、西村家に嫁ぎ、正雄を生んだ。晋太郎が農林大臣のとき、弟がいるのを知った。西村は、日本興業銀行頭取に。安倍父子を応援、金融界の人脈も紹介した。
神戸製鋼の中興の祖、亀高素吉も晋三の恩人。晋三は、成蹊大学を卒業後に神戸製鋼に入社、海外留学など面倒を見てもらった。財界人脈でも世話になった。
注目すべきは、晋三の母、洋子さんの思惑。洋子は、第1次安倍内閣が倒れた後、養子に出した信夫を総理にするのが次の悲願になった。信夫を参院議員にさせ、参院議員では首相になれないと、先の衆院選では、衆議院に鞍替えさせた。
今後の見通しは、こうだ。安倍の地元の城造りは順調。だが、安倍は山口選挙区の参院議員、林芳正を恐れている。林家は宇部興産創設者の係累の名門で、芳正の父義郎は田中派、運輸大臣経験者。家柄は、安倍、岸家より上だ。
芳正は地元の下関西高校から東大法学部へ。地元育ちで子どものときからの友人も多い。安倍は東京生まれ東京育ちで地元との繋がりは希薄。林は、安倍政権では農林相だが、本来は得意の通産、商工畑が希望だった。衆院鞍替えが悲願。
中央でも、安倍首相は、いま絶頂期にいる。参院選で大勝すれば、安倍一色の人事や政策におもしろくないという輩が出てくる。林芳正、石破幹事長らの処遇をめぐる不満が爆発、党内抗争が起こる可能性も否定できない。
もひとつ、不安要素は、首相周辺に西村正雄、亀高素吉といった諌める人物がいないこと。救いは、安倍家は、漁業で朝鮮半島とも深い関係があった。こうした自分のルーツを政治に反映させることができれば強みにならなくもない」