*第20回都民塾のご報告

2014年7月24日(木)中央区築地本願寺講堂

20回都民塾が、平成26724日(木)午後7時から、東京・中央区の築地本願寺二階講堂で、「中国・韓国の現状と日本の安全保障-めざめよ日本人」をテーマに、元防衛大学校教授 新治毅(しんじ つよし)先生を迎えて開催、100人の参加者は熱心に耳を傾けた。

都民塾が20回を迎えたことで、冒頭、呼び掛け人の立石晴康・東京都議会議員が、「皆さんのお陰で20回も続けることが出来ました。みんなの学びの場として今後とも続けたいのでご支援ください」と挨拶。金子 光・明海大学准教授は「20回を振り返って」と次のように語った。

「テーマは、『いま日本で何が起きているか』をメインとして、時代の流れや世相を反映しているものが多かった。政治2回、経済3回、外交3回、安全保障4回、文化3回とバラエティに富み、講師は、最初の10回がジャーナリストの方が中心で、後半の10回は学者や経営者・文化人など多様化した。講師の多様化に呼応するように、若い人が増えるなど参加者の幅も広がった」

新治先生は、1946年、島根県生まれ。防衛大学卒、米空軍工科大学院航空工学修士課程卒。現在、星槎大学教授。著書に『安全保障学入門』、『軍事学入門』、『中国空軍』、『危ない中国』、『東シナ海が危ない』などがある。

「日本の危機は、危機が認識できない危機である」と語り出した。「米ソの冷戦が終わり、アメリカの一極支配となり、世界の警察官を担ってきた。しかし、湾岸戦争、世界同時テロ、イラク戦争などによってアメリカは世界の警察官をやめ、現在、世界は“液状化”している。日本は、戦後、アメリカによって守られてきたが、現在、日本は中国や北朝鮮など“赤い低気圧”で覆われている。それなのに、日米安保があるから大丈夫、といった議論がまかり通るなど完全に平和ボケしている。
 これが最大の危機だ」と現在の日本が置かれた状況を述べた。

さらに、「日本は太平洋のクラゲといわれている。平和憲法で交戦権がない、殴られても反撃できない。シーレーンは生命線だ。安倍政権の集団的自衛権の行使容認は当然で、これに反対する朝日新聞やNHKなど一部マスコミは平和ボケの極致。さらに、教育界もGHQの日本弱体化を踏襲、子どもに間違った教育をしてきた。我々の敵は我々の中にいることを認識する必要がある」と述べた。

続けて、日本が存立する必須の4条件を挙げた。①資源保有国が日本に資源を供給してくれる②資源保有国から日本に至るシーレーンに紛争がない③日本は、その資源に付加価値を付けて競争力ある工業製品を作る④米国をはじめ多くの国々が日本製品を買ってくれる。「経済力は技術力で、これがないと日本はほろびる」、「次は教育を変えるべき、子どもに愛国心を植え付けるべき」と最後まで力強く講演を行った。そして、出席者の割れるような拍手で降壇した。