*第26回都民塾のご報告

2015年2月26日(木)中央区築地本願寺講堂

第26回都民塾が、平成27年2月26日(木)午後7時から、東京・中央区の築地本願寺講堂で、「聖火ランナーフェスタTO2020(仮称)」事務局長の大村真也氏を講師に招き、「東京からTOKYOへ-五輪はメダル数を指標にしてよいか、メダル予想とオリンピックよもやま-」をテーマに開かれた。

大村氏の講演の前に、前回の都民塾で実施したアンケート結果が報告された。今後の都民塾に期待することでは、「シンクタンク機能を発揮してほしい」という意見が最も多かった。

大村氏は、昭和29年静岡県生まれ。中学2年の時にメキシコ五輪の飯島選手のレースに感動し実況放送を暗記。中学3年では磐周中学陸上大会100?優勝、静岡県中学陸上大会800?リレー優勝。昭和54年、早稲田大学卒業し鹿島建設入社、平成26年同社退職。現在、(株)あい設計東京営業部部長。


冒頭、大村氏は、「東京五輪マーチ」に乗せて、1964東京五輪開会式入場行進のアナウンサーの声を5分間にわたって再現、大きな拍手で講演に入った。「第一回からのオリンピック一行振り返り」、「1964東京オリンピックの各国メダル数と日本のメダルの内訳」とレジメをもとに話し出した。
1964東京オリンピックの水陸優勝者の記録と最新オリンピック(ロンドン)の優勝記録との比較、現在の日本記録、最新五輪(ロンドン)に見る日本の競技力の現状(メダルを獲得した競技・メダル数上位10か国・ロンドン五輪と東京五輪(1964)との比較)と五輪の話題は多岐に渡った。


オリンピックに係るエピソードで、ストックホルム五輪にマラソンで出場した金栗四三の話に会場は沸いた。金栗は40度の暑さのために30キロ地点で意識を失い、沿道の農家で介護され、記録上行方不明扱いに。昭和42年、金栗にスウェーデン五輪委員会から55周年記念行事への招待状が届いた。
75歳の金栗は競技場の中をゴールまで走った。場内アナウンスは「日本の金栗只今ゴールイン。記録は54年と8か月6日5時間32分20秒3。これを持って第五回ストックホルム大会の全日程を終了いたします」との粋な演出。この後のインタビューでの金栗の言葉もまたふるっていた。「長い道のりでした、途中で孫が5人もできました」


講演で大村氏が言いたかったのは、「五輪はメダル数を指標にしてもよいのか」だった。これについては、「メダルの数を稼ぐことで国威発揚としている中国・韓国等はロンドン五輪において種目数の多い競技で数を稼ぎ、日本を圧倒した。個人競技や競技者数が少ない競技を強化したほうが、メダル数を効率的に増やすことができる。しかし、日本がそれをすべきであろうか」と強い疑問を投げかけた。


大村氏は、最後にメキシコオリンピック男子100m準決勝1組のアナウンサーの実況を再現、会場を再び沸かせた。また、「聖火ランナーフェスタTO2020(仮称)」について、「2020年の東京五輪を成功させるため1964年の聖火ランナーと青少年が一緒に楽しむイベントで2015から2019年にかけて全国47都道府県で開催される」と説明した。
講演のあと、「1964年の東京オリンピックを観た方はいますか?」という質問があって、「当時、高校生で、大宮の競技場でサッカー予選を観ました」、「金メダルを取った選手にメダルを見せてもらいました」といった当時を懐かしむ多く声があがった。