*第3回都民塾のご報告

2013年1月26日(土)午後、築地本願寺2階会議室

第3回都民塾が、平成24年1月26日(土)午後2時から、東京・中央区の築地本願寺2階会議室で、米ハドソン研究所シニアフェロー、磯村順二郎氏を招いて開かれた。
出席した90人の参加者は荘厳で立派な会議室に気圧されていた。 
冒頭、呼び掛け人代表の立石晴康前都議会議員が「この勉強会では、国家があるべき姿をみんなで探し、見つけ、共有し、戦争のない、この国生まれてよかったという国にしようではありませんか」と挨拶。


磯村さんは自己紹介で、こんな秘話を披露。  「麻生太郎、山口淑子、糸山英太郎らの政策秘書を務め、安倍晋太郎外相のときにはロシアのゴルバチョフ大統領との会談を設定、北方領土問題では『英知』という言葉がキーワードになった」
講演は、安倍首相の経済政策である「アベノミクス」から始まった。「円安で、輸出向け産業は3年ぶりに息を吹き返した。ただ、輸入する原油、天然ガスが値上がりして電気ガスが値上げとなり農業やサービス産業は影響が出るだろう。
2%のインフレだが、安売りになれた日本の消費者が物価値上げについていくか、どうか。金融緩和で金を借りてくれ、と言われても企業や個人が借りるかどうか。
アベノミクスについては、具体的な政策が出てきてからでないといないので評価は難しい。
ただ、自民党は野党呆けしている。韓国の新大統領に決まった朴槿恵さんは政権交代委員会を設けて、準備をしてから大統領の仕事に入る。アベノミクスが大企業中心の政策であるのに対し、朴槿恵さんは大企業を規制して中小企業を支援する構え。

公共投資は失敗したら国の赤字が増すだけ、安倍政権は、もっと知恵をはたかせる必要がある」続けて日米関係を語った。「安倍首相の訪米のテーマは普天間基地とTPPになる。しかし、この解決策は持っておらず、アメリカは冷たい反応を示すだろう。それより、これらは、担当大臣にまかせ、もっと本質的な大きな話をしてほしい。オバマ大統領の指導力は落ちており、英国がヨーロッパの問題で米国に助言しているように、日本もアジア政策について、米国にアドバイスすべきだ」


安倍政権について。
「アルジェリアの人質事件、TPPや社会保障問題などで、麻生副総理との間で意見にほころびが出ている。安倍首相の後ろ盾のはずが、自分が前に出ようとしている。安倍首相は、ダボス会議で来年も総理でいる、と発言したが、これは麻生には政権を渡さない、という宣言にみえた」最後にメディアに注文をつけた。
「1昨年の3.11では、新聞もテレビも、大学の先生らを使って原発事故は大丈夫、安心と言い続けた。ある時から危険だと論調が変わった。新聞の行う世論調査も自分らの望んでいる方向に持っていこうとしている。正確な報道を基に、みんなで議論していく社会でありたい。でないと、素晴らしいこの国の社会が縮んでしまう」。
質疑応答も活発に行われた。