*第4回都民塾のご報告

2013年2月23日(土)午後、東京シティ・エアターミナル“中華料理店「龍鳳」

第4回都民塾が、平成25年2月23日(土)午後3時から中央区の東京シティ・エアターミナル2階の中華料理店「龍鳳」で、元産経新聞論説委員長、千野境子さんを招いて開かれた。
演題は「安倍政権と東南アジア」。
出席者は105人を数えた。講演後の質疑応答では数多くの質問が出て大いに盛り上がった。
千野さんは、全国紙で、女性初の外信部長、論説委員長を務めた外信畑の第一人者。
先日行われた日米首脳会談に臨んだ安倍首相のことから話し出した。
「安倍首相は、就任当初は米メディアからタカ派、右翼とみられてイジめられた。しかし、村山談話を踏襲するとし、『政治家は未来を語る、歴史は専門家にまかす』と述べるなど、今語るべきは何か、がわかっている。景気も大震災からの復興についてもそうだ」と安倍政権の出足は「思った以上」と評価した。
アベノミクスについては、大阪で聞いたという「ちょっといい話」を交えて語った。
「大阪では3番目の繁華街、阿倍野が元気で、アベノの名物のお好み焼きはミックスが売れている。店のオヤジさんは『景気がよくなるかどうかは、わからんで。(うちは、お好み焼き屋から)小手先や』と言っているとか。安倍首相には小手先ではない経済政策が求められています」
東南アジア問題については、祖父の岸首相が訪米前に東南アジア訪問したことから話した。
「岸首相は、日本はアジアの盟主である。アジアの声を聞いて、アジアを代表して訪米するという気概があった。安倍首相も同じ考えがあった」
そして、安倍首相が就任直後の東南アジア諸国訪問の際、インドネシアで述べるはずだった外交5原則「アベドクトリン」について話した。
「これには、大きなグランドデザインが書いてある。最初の安倍政権時、首相はインドに行って『日印は、インド洋と太平洋という2つの海を開かれた海にする責務がある』と述べたが、アベドクトリンにも海洋国家・日本が入っている」
「インドネシアの女性が日本の看護師試験に合格した話にも触れていた。この女性は来日して、3.11を知り『現地に行かせてほしい』と懇願したそうです。このインドネシアの看護師の女性から元気をもらった、と言っていました」
民主党政権と比較した。
「アイアム カムバック、ジャパン カムバックと訪米中にスピーチした。スピーチは官僚が書いたものかもしれない。民主党政権に比べ、大人の政権になった。民主党は官僚を排除したが、強力なシンクタンクのない日本には官僚がその役割を果たしてきたことを忘れてはいけない」
こう締め括った。
「東南アジアとは、盟主という考えでなくパートナーとして付き合うべき。中国は日本にとって大事な国。戦略的互恵関係で、日本も戦略と政治的意思を持って対応していくべき。日米関係は首脳会談で絆の確認は出来たのだから、TPPや普天間基地問題など、次は具体的なもので示すのが大事」