*第21回都民塾のご報告

2014年9月18日(木)中央区築地本願寺講堂

第21回都民塾が、平成26年9月18日(木)午後7時から、東京・中央区の築地本願寺2階講堂で、「東京五輪を“自己成長”のチャンスに!~試される日本人の文化度と精神性~」をテーマに、サンケイスポーツ記者としてオリンピックをはじめ、プロ野球など様々なスポーツ取材をしてきた産経新聞の飯田絵美先生を迎えて開催、130人の参加者は熱心に耳を傾けた。
 冒頭、呼び掛け人の立石晴康・東京都議会議員が8月下旬の40年ぶりのスリランカ旅行について「スリランカには『ジャパン・ハパナ』という言葉があり、勤勉で時間を守る、正直な日本人のようになれ、と学校で教えている。スリランカは、憎しみに愛をもって接しようと、敗戦後の日本の分割統治に反対し、今でも日本を敬愛していると聞いて、とてもうれしくなった」と熱っぽく報告した。続いて金子光・明海大学准教授は「今回から2020年の東京オリンピックにちなんでオリンピック特集を始めることになった。その第一回目として2000年のシドニー五輪取材の経験がある飯田先生に来ていただいた」と紹介した。

飯田先生は成城大学卒後、1993年に産経新聞入社、サンケイスポーツに配属。バレーボール、サッカー、テニスなどを担当し、シドニー五輪や日韓W杯を取材し、プロ野球ではヤクルトの番記者となり、王貞治さん、野村克也さんらと親交が深い。著書に『打たれ強い心の育て方』などがある。
先生は、まずスポーツの魅力について「スポーツは、誰も傷つかない話題であり、人の心を開放する力がある。それに仲間を信じることや、コツコツと積み上げるプロセスを大切にすることを学べる。あの選手が頑張っているんだから自分も…と重ね合わせることもできる」と語った。
次いで、1990年代以降を振り返りながらスポーツが「母国愛を再生した」と分析。たとえば1993年に開幕したサッカーJリーグ。スパースターの三浦知良選手は試合開始前のセレモニーで、必ず日の丸を仰ぎ見つつ、胸に手を当て、君が代を歌う。対戦相手の外国選手も国旗を尊敬する。そんな姿を見て、小学生や若者がマネをするようになった。その後もイチロー、松井秀喜など海外で活躍する日本人選手が続々登場するにつれ、選手もファンも「自分は日本人」と強く母国を意識するようになったと指摘した。

先生はシドニー五輪での過酷な取材体験に触れた後、選手の活躍もさることながら、荘厳なセレモニー、敵対関係にある国の人たちとの人間的な深い交流など自ら体感したオリンピックの持つ素晴らしさを再三強調。そんなスポーツの魅力満載の東京五輪を6年後に迎える都民である参加者たちへ、最後にこう呼びかけた。「皆さん、オリンピックに向けて自分の役割を見つけてほしい。人生を、そして日本という国を振り返る大切なチャンス。今日の話を、東京五輪で自分に何ができるか、何がしたいのか、を考えるきっかけにてほしい」。