*第51回都民塾のご報告

2017年9月28日(木)中央区築地本願寺講堂

第51回都民塾(呼び掛け人 立石晴康前東京都議会議員)が、平成29年9月28日(木)午後7時から中央区の築地本願寺講堂で開かれた。
          
今回は、声楽家の能川亜希子(のがわ あきこ)先生を招いて、「歌うことの楽しさと音楽の力」をテーマに開いた。
 
能川さんは、岡山県倉敷市出身。国立音楽大学音楽学部声楽科卒業。佐々木英代先生、依田喜美子先生、伯田博子先生各氏に師事。音楽教室amica主催。           
自身の演奏活動に加え、幼稚園や学校、病院等でのコンサート、音楽についての講演等も行っている。
            
「自己紹介かたがた1曲歌います」と、ブルーのドレスの能川さんは、イタリア民謡の「オー・ソレ・ミオ」を原語で歌った。碧い海、明るい太陽…イタリアの景色が浮かんでくるようなソプラノ、会場は、大きな拍手に包まれた。
            
「音楽の楽しみ方のひとつは、情景を思い浮かべ、記憶を呼び戻すことができることです」と話し、続いて「20代の時、失恋を経験、一晩で作った曲」と2曲目をピアノで弾いた後、「どんな印象を持ちましたか?」と問いかけた。
            
出席者から感想を聞いた後、「音楽に接し、気持ちがよいのは、人間の本能で理屈ではありません。音楽の力は、介護・福祉で音楽療法として使われています」と語った。           
続けて、夏川りみが唄ってヒットした「涙そうそう」と♪私のお墓の前で 泣かないでください…♪の「千の風になって」の2曲を歌った。
            
「空の向こうに美しいものがある、この2つの音楽は心に響き、誰しも情景が浮かびます。音楽は人類の進歩の一翼を担っているのです」。           
5曲目は、坂本九のヒット曲「見上げてごらん夜の星を」、ピアノの弾き語りで披露した。
            
6曲目は、息子の小学1年生の凱成(がいせい)君と「にじ(虹)」を歌い、ひときわ大きな拍手を浴びた。           
「東日本大震災のとき、音楽を楽しむ余裕はなかった。そうしたなか、仙台フィルは活動を始めました。亡くなった魂を鎮め、被災者を癒し、希望の灯をともしました。音楽の力は偉大なんです」
            
7曲目は、2009年のNHKドラマ「坂の上の雲」の主題歌「Stand Alone(スタンド・アローン)」をドラマを思い出させるように。           
8曲目は、福島原発事故で住民が全国にちりじりになった福島県小高町(南相馬市小高区)で生まれた曲。           
小高中学校の平成24年度卒業生と音楽教諭の小田美樹さんによって作られた「群青(ぐんじょう)」。能川さんは、涙を流しながら「群青」の由来を説明。           
静かに厳かに歌い上げた。「声楽家は、歌うことに喜びを感じ、思いを表現して共感を引き出すことです。音楽は人間の創造力を育て、心を豊かにします」
            
最後の曲「ふるさと」を全員で合唱、大いに盛り上がった。「アンコール」の声があがり、華麗で抒情的な「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」で締めくくった。           
すると、会場は、鳴りやまぬ拍手で包まれた。みんな、能川さんから「音楽の力」をもらい、元気に会場をあとにした。