*第60回都民塾のご報告*

2018年6月21日

第60回都民塾(呼び掛け人 立石晴康前東京都議会議員)が、平成30年6月21日午後7時から中央区の築地本願寺講堂で開かれた。
  今回は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社主席研究員の太下義之先生を招いて「ロンドン五輪大会から東京に引き継がれるオリンピック・パラリンピック成功の鍵『文化プログラム』とレガシー創出」をテーマに開催した。
 
太下先生は、1962年生まれ、東京都出身。専門は文化政策。博士(芸術学)。独立行政法人国立美術館理事、公益社団法人日展理事、 公益財団法人静岡県舞台芸術センター(SPAC)評議員。単著『アーツカウンシル』(水曜社)。
 
「オリンピックというと、スポーツの祭典と思うが、それと同時に文化の祭典でもある。近代オリンピックの父、クーベルタンは『オリンピック精神は、スポーツと文化と教育の融合』と言っていたが、近年、この理想に近づいた」
 
  五輪の「文化プログラム」を説明した後、2012年開催のロンドン五輪の文化プログラムを説明した。参加アーティストは、204か国から4万人、イベントの数は17万件(正しくは11万件)、参加者数は4600万人。テーマは『Once in a Lifetime(一生に一度きり)』。主なイベントを紹介した。
 
「街中や海岸などで開催する『あり得ない場所でのアートプロジェクト』、チャーチル・ルーズベルトらの彫像に帽子を被せる『ハットウォーク』、37か国から劇団を招いて37か国語でシェークスピア劇を上演した『ワールド・シェークスピア・フェスティバル』など多種多彩なプログラムが展開されました」
 
「障がい者に向けたイベントでは、車いすに乗った女性が水中でダンスパフォーマンスしたのが『美しい』と注目されました。全く新しいカテゴリーの身障者芸術として強烈なインパクトを与えました。こうした身障者芸術は東京2020でも力を入れています」
 
その東京2020での文化プログラムは、どのように展開されるのか。「JOCや文化庁が中心になって、様ざまなイベントを検討しています。イベントも五輪ロゴマークが使える公認イベント、使えない応援イベントなどがありますが、大事なのは、レガシー(遺産)です」
 
「1964年の東京五輪では、ハード面では、新幹線、首都高、モノレール、シティホテルが造られ、ソフト面では、亀倉雄策の五輪ポスターが世界中から注目を集め、それまで図案屋と言われたのがデザイナーとして市民権を得ました。いま、自治体や企業でデザイナーが活躍しています。東京2020では、文化芸術に関わる人たちが希望をもって働けるような文化立国をめざしています」
 
東京2020では、何をレガシーにするのか?「日本は世界最速で高齢化社会に入りました。少子化は政策で変えられるが、高齢化は変えられません。文化芸術で高齢化時代、生き生きとした明るい社会をつくることを考えています」。質疑応答も多くの質問が出て関心の高さを示した。