都民塾

都民塾だより No.48

 第48回都民塾(呼び掛け人 立石晴康東京都議会議員)が、平成29年5月16日午後7時から中央区の築地本願寺講堂で開かれた。

 今回は、元時事通信政治部長で政治ジャーナリストの泉 宏先生を講師に招いて開催。泉氏は、『政局と小池都政』をテーマに講演した。

 泉氏は、昭和22年、東京生まれ。昭和47年、早稲田大学卒業後、時事通信社に入社。田中角栄蕃として政治記者生活がスタート。自民党クラブキャップ、政治部デスク、政治部長、編集担当取締役などを歴任、現在、時事通信客員解説委員などを務める。

 講演は、安倍首相の2020年までの「改憲発言」から入った。「なぜ、この時点で改憲発言したのか。与党で3分の2の勢力になったのに何も動かない状況が続いている。次期総選挙では3分の2を維持できるか微妙で、2019年7月の参院選では3分の2を割る可能性が強い。これまでに憲法改正の国民投票、国会発議を終わらせ、2020年の東京五輪は新憲法で迎えたいと考えている」

 改憲の内容について、「安倍首相は、9条に自衛隊の明文化を言っているが、自民党の改憲草案とは異なる。来年の自民党総裁選のテーマになると思うが、竹下亘国対委員長は『首相の思い通りの展開にならない』と言っており、公明党は加憲を主張するなど、今後の議論をみないと見通しすることはできない」

 そして、「昨日、中曽根元首相の白寿の会があった。中曽根氏は『国民憲法制定の道』を出版、微妙なタイミングだ。安倍首相は『この本を熟読したい』と挨拶。その前に、首相の父である安倍晋太郎を偲ぶ会があり、首相は『細田派の四天王を作りたい』と稲田防衛相、下村元文科相、松野文科相らの名を挙げた」

 秋の政局について、「解散は、来年秋以降の可能性が強いが、任期満了もなくはない。9月の内閣改造の要は、稲田防衛相の続投はなく、二階幹事長、菅官房長官の処遇、二階氏が変われば菅幹事長だが、官房長官を誰にするか、が見所」

 小池都政について、「小池知事の目標は、都議会での安定勢力確保にある。都議選では、当初、都民ファーストが60議席という予想も出たが、築地市場問題は中央区など関係する区以外では争点ではなく、『小池知事は方向性を示せ』という声も強まり、自民党も複数区ではある程度議席を確保する見方も出てきた」

 議席予想を、「公明23、共産12か13、民進2か3、その他を入れて40議席。全127議席の残りの87を自民と都民ファーストがどうシエアするか。都民ファーストは44取れば第一党になるが、候補者集めに難儀している。小池知事も『私は二重国籍』と述べるように自民と本気で喧嘩するのか、疑問も残る」

 立石都議の選挙に触れ、「小池知事が考える築地・豊洲問題が争点にある。これに立石都議が連携できるか、中央区民の意思が最大のポイントになる」。立石都議は都議会の政務で欠席したが、泉氏の熱弁で会場は盛り上がった。

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