都民塾

都民塾だより No.50

 第50回都民塾(呼び掛け人 立石晴康前東京都議会議員)が、平成29年8月29日午後7時から中央区の築地本願寺講堂で開かれた。

 今回は、産経新聞社編集局編集委員の宮本雅史氏を招いて、『爆買いされる日本の領土』(このタイトルでKADOKAWAから新書出版)をテーマに行われた。

 宮本氏は、昭和28年和歌山県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、産経新聞社入社。平成 2 年、米国・ハーバード大学国際問題研究所に訪問研究員として留学。東京本社社会部次長、バンコク支局長などを経て一時退社。フリージャーナリストなどを経て、産経新聞社に復社。著書に、『「特攻」と遺族の戦後』等。

 宮本氏は、「今朝の北朝鮮のミサイル発射や中国の尖閣諸島問題など目に見えることには対応することができるが、今回のテーマの中国資本の森林買収など経済侵攻は目に見えず、気が付いたら…ということになってしまう」と話し出した。

 「北海道のニセコは、かつてはスキー客のニュージーランド人が多かったが、いまや8割が中国人で、彼らは100ヘクタール単位で森林=水源地を買い出した」と、中国資本の土地などの買収には3つのパターンがあると続けた。「一つは、森林やゴルフ場、農地、キャンプ場、太陽光発電所用地などを100ヘクタール単位で購入する。二つめは、土地を購入した後、出入国を繰り返し日本への永住権を取る。三つめは、ホテルなど観光施設を買収するパターンだ」

 何のために買ったのか?「土地買収の目的は、三割は意図があり、七割は意図がない。買収時、豪華な別荘地やレジャー施設の建設をうたいあげているが、ほとんどが実現していない。しかも買収された広大な土地は、大半が、道路などから見えず、人が簡単には入れないような土地だ。中国では、北海道は吉林省の一部だとか、32番目の省になる、と言われている。いずれ、北海道は中国の自治区になり、日本でなくなる可能性も無きにしもあらずだ」

 中国の侵攻は、土地買収だけだはないという。「苫小牧駒澤大学は、今年1月、京都の学校法人に無償譲渡された。この学校法人は、中国と深い関係があり、理事に中国共産党員が入っている。北海道の幼稚園や小中学校、高校では中国語を教えているところもあり、中国の侵攻は、教育現場にまで広がっている」。問題は、日本には、外国人の土地買収に規制がないことだと強調。「米国、韓国には規制があり、東南アジア諸国では、条件が付いている。日本は、合法的に外国人が土地を買える。主権国家として法的規制、ルール作りが必要だ」

 北海道だけの問題ではないという。「富士山麓の水源地が買われ、中国に水が輸出されている。東京の湾岸地区のマンションは、中国人が2,3割購入している。50年後、全員の同意が必要な建て替えはできず、廃墟になる恐れもある」

 こう結んだ。「安全保障が論議されているが、日本土地が外国人に買われているのは領土問題でもある。北海道が日本でなくなることもありうるのだ。政治家も国民も、こうした事実に気づき、一刻も早く手を打つべきだ」

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