都民塾

都民塾だより No.56-57

 都民塾(呼び掛け人 立石晴康前東京都議会議員)は、3月3、4日に実施した「第37回 立石旅行会」に協賛。旅行先が、塾員の吉田誠男さん(「伊場仙」社長)の著書「遠き海原」の舞台、静岡県浜松市だったこともあって多くの塾員が参加した。

 「遠き海原」は、400年前、三河・浜松に城を構えていた徳川家康が、城下に住む3万人の住民を引き連れ江戸に向かった。彼らは世界的な大都市建設を夢見て大土木工事を行い江戸を造った。「伊場仙」の先祖や三河の人たちが登場して波乱ありロマンあり愛あり、西欧人も登場する国際的歴史小説。

 「中央区には、江戸の礎の痕跡が残っていますが、ルーツは浜松です。出世城の浜松城、家康ゆかりの日本平、江戸に移り住んだ人たちが住んでいた浜松城下の街などを見るのは、中央区民にとって有意義なことだと思います」と吉田さん。

 旅行会は、こうした家康と三河の人たちが開拓した江戸・東京のルーツを求めて、三河の旧伊場町や家康ゆかりの浜松城、日本平など史跡や名所を訪れるセンチメンタルジャーニー。参加者160人、大型バス4台を連ねる旅となった。

 3月3日(土)晴天に恵まれ午前8時30分、集合の築地本願寺を出発。僕は3号車に乗った。ユーモア混じった各人の自己紹介のあと、司会役の大八木勇夫さんが、荻野貴雄さんに得意の妖怪、お化け、河童の話をするよう指示。ロンドン大学留学中に体験した怖い話を織り交ぜたスピーチで車内を沸かせた。

 東名高速で、御殿場にさし掛かかったところで、車中から雪を抱いた富士山がチラリ。この日は、富士演習場が野焼きで、炎が見え、煙が一体に立ち込め富士山は煙の中。それでも周辺に咲いた濃いピンク色の河津桜を見ることが出来た。

 立石さんと吉田さんは、4台のバスに順番に乗り込んでスピーチ。沼津インターで、3号車に2人がやってきた。立石さんは「いま、3つのことに力を入れています。都民塾とアジア太平洋研究会の海外視察と、この旅行会です」

 吉田さんは「伊場仙の創業者は浜松出身です。社史を編纂しようとしたさい、おそらく誰も読むまいと思って小説にしました。半分は事実が書かれています。日本橋との関わりなど興味を引く場面もあるので、ぜひ本を読んでほしい」

 車中では、ビール、ジュース類だけでなく、焼酎、日本酒も出され左党にはバス天国。袋井市の「石原マリンステーション」で昼食後、浜松城は、車中から見学。早めの午後3時半に浜名湖湖畔にある「浜名湖ロイヤルホテル」に到着。

 ひと休みしたあと、午後6時から「立石旅行会」恒例の式典と懇親会が、同ホテルの大宴会場で始まった。2部構成で1部の式典は、原大行さんが総括で、吉田誠男さんと本山晴代さんが司会を務めた。

 最初に、小堀章三さん(日本橋)が、主催者を代表して都知事選、都議会議員選、衆院選を振り返って「現在の中央区選出の都議は顔を見たことも政策を聞いたこともない。立石先生には、これからも区民の声を聞いてもらい、生涯政治家を貫いてほしい」と挨拶。

 築地本願寺の龍谷乗淳さんが「立石先生には築地本願寺の門弟総代で責任役員としてお世話になっています。今後とも、開かれた寺院として歩んでいきますので、引き続きよろしくお願いします」と挨拶した後、観世流能楽師の中村裕さん(中央区能に親しむ会)が鼓を披露して挨拶。

 立石さんが謝辞に立ち、「生涯政治家を貫きます。皆さんには、商売・会社の繁盛、心の繁盛、そして、友情の繁盛、この3つの繁盛を胸の中に持ち、一緒になってこれからも歩んでいこうではありませんか」と力強く述べた。

 舞台では、山本晴保さんをはじめ御有力な皆様の威勢の良い鏡開きが行われ、宮森孝一さんの音頭で大きな声で乾杯したあと、第2部の懇親会に移った。懇親会の司会は、川田利博さんと荻野貴雄さんが務めた。福引きでは、松谷珠枝さん、渡辺圭子さん、鈴木恵美子さんらがお手伝い。

 田慎一郎さん(弁護士)が、この旅行会にお祝いを下さったご芳名を紹介、演芸に移った。1号車から号車順に演芸披露があり、1号車は代表による♪カラオケのデュエット、2号車は♪サンバ踊り、3号車は♪春のうららの隅田川「花」の合唱、5号車は♪お祭りマンボ…号車ごとの熱演に大きな拍手が巻き起こった。

 続く、「福引き」は、東京ディズニーランド招待、人形町「今半」の詰め合わせセットなど多数の豪華票品。みんなが、入場前に受け取った番号札を握り占める中、次々に当選番号が発表され、そのつど会場は、歓声とため息に包まれた。

 このあと、▽八木愛介さんが「北の漁場」など歌謡曲3曲▽浜町音頭の会(会長福田昭三氏)の指揮のもと「浜町美人音頭」などの踊り▽佐々木菜穂子さんら東京藝大メンバー3人によるオペラの披露▽大前実之さんの指揮で全員による♪ウサギ追いし「ふるさと」の合唱…と豪華絢爛の舞台。最後は、大前さん、大八木さん、青木幹則さんの明治大・法政大応援部OB3人による「大締め」で懇親会は幕を閉じた。

 4日は、午前7時からホテルでバイキング形式の朝食の後、浜松市東区にある「金原明善記念館」見学に向かう。金原明善は、明治期に天竜川の治水事業など治山治水に一生を捧げた郷土浜松の偉人。

 受刑者の更生保護事業の創始者としても知られる。北海道開発や郷土の産業開発にも私財を投じて尽力した。東京・日本橋で事業を行うなど中央区とも縁があり、みんな上映されたVTRや展示物などを親しみをこめて熱心に見入った。

 昼食は、静岡市の日本平のレストラン。さくらえびのかき揚げなど地元名産に舌鼓。この日本平へ行くまでの3号車の中では、微笑ましいハプニング。乗り込んできた立石さんがバスガイド嬢にお婿さんを紹介するシーンが起きた。

 立石さんは、A、B、Cと3人の若い男性を紹介したが、バスガイド嬢は、同乗の経験者の意見を聴いたうえ、公務員のBさんを選んだ。お見合いのセットを約束、「うまくいったら皆さんを招待して結婚式を挙げたい」と大盛り上がり。

 日本平から沼津市の「ひものセンター」に立ち寄り、最後のお土産を選んだ後、午後5時半、築地本願寺に到着。全員けがもなく元気に帰京、「来年、立石旅行会で、また会いましょう」と再会を約束して解散した。

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