都民塾

都民塾だより No.71

 第71回都民塾(呼び掛け人 立石晴康前東京都議会議員)が、令和元年6月20日(木)午後6時半から中央区の築地本願寺講堂で開かれた。

 今回は、東京都オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長の田中彰氏を講師に招いて「大会の準備状況について」をテーマに講演していただいた。

 田中氏は、千葉県出身。東京都立大学法学部卒業後、平成元年、東京都庁入庁。都市整備局住宅整備課長に就任後、東京都住宅供給公社総務部長、港湾局調整担当部長、オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長などを務め、今年4月から現職。20日はちょうどオリンピックのチケット抽選結果の発表日であり、大会400日前となる日で、大会への気運が高まる中、以下概略についてお話いただいた。

 東京2020大会は、金メダル枚数がオリンピックで339、パラリンピックで540であり、その数だけ決勝戦がある大会規模となっている。1964年の東京オリンピックより導入された「競技ピクトグラム」も先日発表され、この中には東京大会の追加種目である、野球、ソフトボール、空手、サーフィン、スケートボード、パラリンピックのバトミントン、テコンドーも入っている。

 既存の設備を中心に競技会場が設けられる東京2020大会では、オリンピックパークが作られない。新設される有明アリーナなどは大会後イベントでも活用できる会場となる予定だ。水泳の競技会場である東京アクアティクスセンター建設の定点観測画像がスライドに映し出されると、参加者より感心の声があがった。

 2020年7月24日~8月9日に開催されるオリンピック競技大会のあとにあるパラリンピック競技大会(8月25日~9月6日)。実はこのパラリンピックが始まったのも、1964年の東京オリンピックからである。そのため、2020大会ははじめて同じ都市で2回目のパラリンピックが開催されることとなり、気運醸成にも力が入れられている。宿泊施設を含むバリアフリー化も進められ、多言語対応のため官民一体となって取り組むICT化は、障害者への配慮にもつながる。

 夏の開催となるため暑さ対策や輸送(交通渋滞)、セキュリティ、環境への配慮などの課題もあるが、関係機関との連携を含め2020年に向けて対応が進められている。来年3月にスタートする聖火リレーやレガシー創出に向けた政策、そして、「復興オリンピック・パラリンピック」の理念にもとづく取組の展開など、今後も大会準備が着々と進められる。

 質疑応答では、中央区との関連や、参加者自身が持つ強みを生かして大会に協力したいといった提案を含めた質問が活発に出た。田中氏は、一人ひとりにお礼を伝えながら「ご意見を受け止め対応していきたい」と答えていた。

 質疑応答後、最後にこう結ばれた。「来年の大会に向けて準備を進めるとともに、皆さまにわかりやく伝えることをしていきたい」。

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