都民塾

都民塾だより No.84

 第84回都民塾(塾長 立石晴康前東京都議、代表世話人 野口和久)が、令和2年11月24日(火)午後6時半から、東京・中央区の築地本願寺本堂2階講堂で、ITジャーナリストの富永彩乃(とみなが あやの)氏を講師に招き「携帯料金値下げはグローバルスタンダードか?」をテーマに開催された。

 富永氏は、英国留学を経た国際感覚でテレビ・雑誌で引っ張りだこの若手ITジャーナリスト。ITの進化についていけない人々に、優しく平明にITとの付き合い方をアドバイス。菅首相が打ち出した「携帯料金の値下げ」は本当に素晴らしい政策なのか、などを解説する。今回は、特別に塾生向けの『IT使い方指南』のコーナーも設けた。

 講演を前に、事務局の和田慎一郎弁護士から地元の中央区のデジタル化の現状について、「中央区の担当者によると、生徒1人1台のタブレット整備等を区の情報化基本方針に沿って進めているが、他区に比べ進展しているとはいえない。本人確認の難しさなどが要因と思われる。今後ともデジタル化を一層推進してきたい、ということでした」と報告があった。

 富永氏は、①日本の携帯電話の現状②携帯電話料金を安くするには③今からでも遅くないIT活用術について、講演した。「政府の圧力によって大手携帯電話会社は料金見直しを迫られているが、まだ月額8000円~1万円と安くない。アンケートでは60%以上が高いと思っている」と日本の現状を述べ、世界の携帯料金(月額)を比較した。

 東京が8175円、ニューヨークが7990円、ソウルが6004円、ドイツが4179円、フランス3768円、英国2700円。「海外が安いのは、携帯電話会社が多く競争があるのと携帯電話と利用する通信回線が別売りになっている。日本は、通信の品質やサービスが高い。海外ではスマホは地下鉄では使えない。特に、日本が特別に高いというわけではない」。その理由を、「収益の構造上、料金が高くなりがち。電話機能とラインだけでOKという人に携帯電話ショップでは、タブレットなど付属品を付けて売るなどが常態化している。この選び方で安くできる。私は、4年前は月額1万円を超えていたが、いま、格安スマホに変えて3500円」 

 続いて「スマホは使いこなすのは難しいが、まずはスマホになれることが近道だ」と①無料メール・電話の「ライン」②フリーマーケットで金の稼げる「メルカリ」③短い日記でつぶやく「ツイッター」④仲間で写真投稿し合う「インスタグラム」⑤動画配信サービスの「ユーチューブ」などを詳しく解説、それぞれの分野で活躍する高齢者の女性を紹介した。

 最後は「スマホを使えばこんなことができる、何でもいいと思う、これからインターネットを始めよう、そして、スマホにもっと触れる、苦手意識をなくすことが大事」とまとめた。

 質疑応答では、「目の悪い人に使えるアプリを作ってほしい」「ソフトバンクから楽天に変えたら料金は3分の1に」「携帯電話のトリセツはわかりにくい」等数多くあった。

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