都民塾

都民塾だより No.85

 第85回都民塾(塾長 立石晴康前東京都議、代表世話人 野口和久)が、令和3年3月29日(月)午後6時半から、東京・中央区の築地本願寺2階講堂で、認定NPO法人「日本 水フォーラム」マネージャーの桑原清子さんを講師に招き「『蛇口を開けば水は出る』は当たり前じゃない」をテーマに開かれた。

 開会に先立ち、都民塾の常連で月島歌劇団の佐々木菜穂子さんから①「代表世話人の野口さんが、この夏『読 集まり参じて』を出版します」②「月島歌劇団がユーチューブで音楽を動画配信しています」という報告があった。

 桑原さんは、筑波大学卒業、2014年9月から認定NPO法人「日本水フォーラム」マネージャーを務める。「日本水フォーラムは、2004年に設立、私は入って7年目で、まだ勉強中ですが、日本水フォーラムで感じたことをしゃべりたい」と水にまつわる言葉を冒頭で紹介しながら説明した。

 『水はたくさんある』。「私にとっての水は、水道水でした。太陽エネルギーで地球の水が蒸発、雲になり、雨が山や川に降り、海にそそぐ、という循環を守っていく必要がある」

 『(水は)あるように見えるが?』。日本は台風、洪水等もあり降雨量は世界でも多い。しかし、国民1人当たりの使える水の量は非常に少ない。雨は降るが、すぐ海に出て行ってしまう。カナダなど大陸にある国は川があり、ゆっくり水が流れている」

 『使える水は少ない』。「地球上で、すぐに使える水、いわゆる真水は少ない。その量をペットボトル(2リットル)で換算すると、スポイトで一滴にすぎない」

 『人は水を使う』。「人間は水を使う。それは、命にとって、健康にとって、環境保全にとって必要だからだ。水と生命、水と科学、水と生態系、水と気候…など水にまつわるテーマは様々で、そうした多様性があるのが水なのだ」」

 『百聞は一見に如かず』。「バングラデシュに出張したとき、湿地帯に住む村を訪ねた。雨が降ると水浸しになる。飲み水は、子供が自宅から2キロ先の池に行って朝夕計3回、汲んでくる。日本水フォーラムが雨水を入れるタンクを贈った。すると、子どもたちは水汲みの仕事がなくなり勉強ができるようになった。子供にとって水の存在は大きい」

 『水は人の営みのすべてに必要』。「日本は、その通りだと思うが、アフリカは危機的だし、バングラデシュなど困難な国も多い」

 『使った水はどうなる?』。「きれいにしてから捨てる、使ったら再利用する、無駄なく大切に使う、つまり賢く使う、のが大事。これは国民の責任でもある。日本人は賢い使い方を知っている。打ち水を通じて、この水はどこから来ているのか、などを知ってほしい」

 「水は、あらゆる命の源で、あらゆる人々の生活・社会や経済を支える貴重な資源。水の恩恵と価値を最大限に享受できる世界の実現をめざしたい」と締めくくった。

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