都民塾

都民塾だより No.88

 第88回都民塾(塾長 立石晴康元東京都議、代表世話人 野口和久)が、令和3年11月18日(木)午後6時半から、東京・中央区の築地本願寺2階講堂で、国際ビジネス & スポーツアナリストのタック川本氏を講師に招き「全米熱狂の大谷翔平とメジャーリーグの経営戦略、総て教えます!」をテーマに開かれた。

 タック川本氏は、早稲田大学卒業後、米国で国際情報社会学やインターナショナル・スポーツファイナンシャル・マネージメントを研究、ビジネスコンサルタントとして活躍。メジャーリーグの「ロイヤルズ」、カナダの「エクスポズ」を経て、「ロサンゼルス・エンゼルス」の国際編成部門に移籍。経営側からメジャーリーグの実態を知る数少ない日本人。

 川本氏は、大谷翔平選手がメジャーで本塁打46本、9勝をあげたケースを取り上げ、メジャーで勝ち残る要素から話し出した。「語学力、コミュニケーション力をつける、米国の食事に合わせる、人種差別・いじめに負けない、の3つが勝ち残る3要素です」

 メジャーの組織について「30球団あり、協同組合をつくっている。大きな収入源は権利ビジネスで、テレビ放映権、グッズの売り上げ、スポンサーシップの3つ。NHKは年間60億円の放送権料を払っている。メジャーには、7~8軍まである。5軍ないと加入できない。プロとアマの差をつける感動ビジネスで、選手の年棒は最高で30~40億円になる。

 エンゼルスは8軍まである。上から1軍のメジャー、2軍がトリプルA、3軍がダブルA、4軍がクラスA,5軍がルーキーリーグ。入団する選手はドラフトにかかる。日本では全球団で100人だが、米国は1500人、ドラフト外の選手を入れると2000人近くになる。

3軍では監督、コーチは教えず『ライバルは敵ではない、彼らがいるから成長する』と諭す。

 多くは4軍からスタート、毎年、ふるい落され、メジャーに上がれるのは数人。彼らの野球技術は完成されているが、何より人間力が秀でている。

 エンゼルスは2002年にワールドチャンピオンになった。42年かかった。大きかったのは、前述したような1軍から8軍まであるシステマチックな人材育成。本日は、ワールドチャンピオンになって頂いたチャンピオンリングを持ってきました。これをはめると願い事が叶います」と出席者にリングを回して薬指にはめさせるサービスを行った。

 なぜ、メジャーで成功者になれるか?「①拒否されてもひるまない②高い理想、理念、夢を持つ③自分が思った以上の心遣いができる④自己満足しない⑤収入の何割かを社会のために使える、の5つが成功の条件です」

 最後をこう結んだ。「みなさん、ぜひメジャーリーグで本物のプレーを見て、驚き、感動をもらってください。エンゼルスの座右の銘は『ものをなくせば小さいものを失う、信用をなくせば大きなものを失う、勇気を失えばすべて失う』、JFケネディの言葉です」

 私からは、こんな言葉を贈ります。『人生にコールド負けはない』

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