日本橋徒然草

NO.18 友を語る

令和3年3月 立石晴康

 「袖振り合うも多少の縁」

 政府は、3月に入っても緊急事態宣言を更に延長して、3月8日から2週間、3月21日まで再延長されると、メディアが報道していました。

 仲良しの日本橋横山町のD.H氏から、ビーフシチューを持って行くから友達を4,5人、声を掛けて集まろうよと電話がありました。そこで何人かに声を掛けました。家内はご飯を、W氏は野菜サラダを、また別の友人はお酒と食後の甘味を持って夕方7時に我が家に集まりました。ワイワイガヤガヤ、楽しい夕食が進み、友達のありがたみとおしゃべりの大切さを痛いほど知らされました。

 ある心理学者が、一人ぼっちで誰とも喋らず1週間以上過ごすと気が変になる、という話を聞いたことを思い出しました。それはフロイト博士が言う無意識の意識という意味だと感じさせられました。

 問屋街もご多分に漏れず、行き交う人が減り、普段の2割未満と報道されていました。

 コロナのワクチンがメディアで話題になりだしたので、間もなくコロナ騒動も峠を越していくはずであると思いながら、1年近くあれこれの集会・イベントが中止となった事を恨めしく思い返しております。旧友の連絡も電話のみであり、つくづく交友の大切さを思っています。

 これらの行事・集会を企画した主催者たちは、どんな徒労に終わってしまったことかと悔しい限りです。しかし、100年前のスペイン風邪が示すように、世界の感染症禍の災難は歴史が示す通りです。


 なんでもない、普段の日常こそが真に当たり前でなく、ありがたいことだということをしみじみと知らされました。ただ今この時こそ、真にありがたいことと感謝して、日々の日暮らしをしなければいけないなあと強く反省をさせられました。

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